水墨画誕生の必然   王俊宇瀟

 黄山や三清山など、霧が起ち雲が湧く山々を歩いていると、水墨の世界が現実にあることを肌で感じられ、水墨画が東洋に誕生した必然性がより深く理解することが出来る。  濃厚な雲が水墨画の余白を作り出す大自然からの啓示とするならば、薄いベールの如く全ての景観を包み込む様な霧が光の七色を濾過し、目の前の景色を限りなく白黒に近い世界に変貌させ、水…
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「執筆法」に関する話   王俊宇瀟

 「執筆法」は書画を書く時、筆の持ち方のことを言う。  既存のように、「双鉤法」(「五指執筆法」)と「單鉤法」(「三指執筆法」)はその代表格である。  日本では「單鉤法」がかなり一般的であるが、中国では「双鉤法」が圧倒的多いと思われる。  定かではないが、沙孟海先生の研究によると、大昔では中国に於いても「單鉤法」が普及して…
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「双鉤法」の妙所   王俊宇瀟

 書画を親しむには、筆を握らなければならない、当然、筆の持ち方、所謂「執筆法」も重要になる。  昔も今も、様々な「執筆法」がある、最も代表的なのは「單鉤法」と「双鉤法」である。  「單鉤法」は中国では「三指執筆法」と言い、親指と人差し指中指で筆を握る方法。この方法は三本の指の力が三方向から筆管の一カ所に集中し、一つの支点て筆を操…
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文明と文化(その三)     王俊宇瀟

 今は情報社会の時代と言われている。新しい技術や産業など人類に有益な文明がリアルタイムで世界中に伝わり、著作権保護の基で、人種や国境線に関わり無く全ての人や国がその新しい文明を享受する事が可能になり、素晴らしい時代である。裏返して言えば、人種や国の違いが有っても、技術や産業等物質的なものはより合理的になる一方、同一傾向に近づきつつある。…
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文明と文化(その二)     王俊宇瀟     

 東日本大震災及び巨大津波、そして東京電力福島第一原子力発電所放射能漏れという未曾有の大惨事から十日間になろうところ、やっと、このブログも続けられる状況になった。  人類はこの地球に住む以上、地球上自然界の豊かな恵みを受ける一方、常に自然界から発する災害と隣り合わせする現実に直面する。私は自然界と闘う言い方が好きではない、人間は自…
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文明と文化     王俊宇瀟    

 人類は猿から進化し、文明と文化を築いて来た。  文明と文化の概念に関しては色々な見方があるが、ここでは文明を広域的な技術や生産性等物質的なものと定義したい;その一方文化は地域的で思想や芸術等精神的なものと限定する。  両者は時代の流れと共に進化して来たが、進み具合はそれぞれ異なる特徴があるところが興味深い。  文明は基本…
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故郷の新しい体験   王俊宇瀟

 毎年3、4回中国へ里帰りしているが、今回ほど様々な出来事を体験したのも稀である。  都会育ちの小生は秘境に憧れる旅好きである故、今までチベットや新疆、内モンーグルや雲南四川などなど中国国内の名山大河で足跡を残してきた、気に入った黄山は七、八回も登った。そのほとんどは飛行機を使う、最近は高速バスの利便性を気に入って度々利用する。 …
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雲の上     王俊宇瀟

 天気予報では今日の三清山は大雨か雷となっていた、朝から曇り雲で空が暗かったけど、山の谷間から純白な霧雲がどんどん湧いて来る。  朝九時、天気の事を心配しながらも、長いコースに沿って雲の上で階段や桟道を制覇していく。時たま遠方から聞こえるゴロゴロの雷声に驚かされも自分なりに勇気を絞り出して前へ進む。昨夜山上で泊まったお蔭で、昼まで観光…
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三清山の奇峰     王俊宇瀟

 数日前から上海へ里帰りしている。家に大人しく居られない性分で、水墨画の題材を求め、今三清山という所に来て、石涛の“捜尽奇峰打草稿”の真似事を楽しんでいる。  朝2時の列車に乗って、7時間以上揺られながら、玉山という小さな町に9時間に着き、白タクでバス乗り場まで往き、更に地元のバスに乗り換え、やっと三清山の麓まで辿り着いた。   …
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ヴィーナスの両臂と水墨画の不完全な線   王俊宇瀟

 水墨画、特に写意の方法で描かれる作品には、不完全な線がよく見られる。例えば蘭の葉を描いた線が曲がるところで細くなり、時々切れてしまう;描き終えた竹の葉の先端に、少し離れたところに小さい点を入れる事によって竹の葉の動きを表現する;或は様々な対象物の輪郭を描く稜線も全て繋がってないところも多々ある。  水墨画を習い始めるて間もない方は、…
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文人画の是と非     王俊宇瀟

 水墨画の最高峰は宋元の時代だと一般的に認められている。それを裏返せば、宋元以降は、下がり道を辿っている事を意味する。  この現象は文人画の出現と隆盛に大いに関係するであろうと考える。  文人画は文人の優雅飄逸な精神や風流な遊び心を表現するのが共通の特徴であり、文化的な風潮とも言える。そういった精神や心は個性的な要素も当然否定出…
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水墨画の様式、掛け軸の新生     王俊宇瀟

 水墨画は、作品そのものが独特な味わいが有る他、作品を囲む装幀も東洋特有な様式がある。  扇面や折帖、巻子や掛け軸等々。その中、掛け軸は最も代表的な様式と言えよう。  中国では昔建物の天井が高く、その為掛け軸の布の部分は「天」が長く、「地」が短いという一見変わった様式が建築と最も適合と推測出来る。日本に於いては、畳の部屋で座って…
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「工筆」の可能性と危険     王俊宇瀟

 工筆は丁寧繊細な描写で写実的に物を表す画風を特徴とするのは一般的な共通認識と言える。    しかし、その写実性に飽き、物足りなくなると感じる画家達は、単純な写実と離別し、工筆の新しい可能性を模索し開拓している。最も代表的なのは対象物の形を誇張したり歪まさせたり、或は比率を意図的に変えてみたりして、写実性の中にデザイン性や装飾性の要…
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「写意」の妙味と落とし穴     王俊宇瀟

 水墨画の表現手法を「写意」と「工筆」に分類する事が出来る。    写意は大胆奔放、即興的、一瞬にして素早く仕上げる。  工筆は丁寧繊細、計算的、時間をかけてじっくり作り上げる。  写意は通常輪郭線無しの没骨法という筆技で描く。  工筆は輪郭線を用いて稜線を描いてから陰影や色彩を入れる。  写意は誇張的、簡潔的、感情的である…
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水墨画、模写の意義     王俊宇瀟

 水墨画を描く人にとって、模写は避けては通れない道である。  梅欄竹菊という四君子の名作図柄を模写するのは入門の常識である。また、筆技の上達に連れ、山水の各皴法、或は宋元の名作を模写する事を通じて芸術造詣の深化をはかる者も多いだろう。そして、水墨画を稽古する現場では、勉強するため先生の手本を模写するのも大変有効な手段として広く使われて…
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水墨画作品鑑賞、色と形の二重基準    王俊宇瀟

 水墨画作品を観る際、現実世界との色彩違いに関しては、誰一人異論を唱える者が居ない。たとえ可憐なピンク色の花や鮮やかな緑の葉でも、墨色で表現するのは当たり前と心得ているから。水墨画は芸術だと認識しているこそ、作品表現上現実と異なる処が有っても理解出来る。  水墨画の色彩を見る際、芸術判断が基準になる事は明白である。  ところで、…
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水墨画作品の位置づけ     王俊宇瀟

 何年か前で北京の藝術家達と水墨画の現状や将来を議論する時、こんな仮定な作品が持ち上げられた:色彩感覚や光の表現など他画種の発想や技法を取り入れた作品は、水墨画の領域では大変個性的で斬新な画風として評価されるが、一方、他画種の発想を参考にした訳だから、その画種の人間からすれば、特に新味も感じられなければ珍しいとも思わない。  この様な…
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クロッキーと蛇足の話     王俊宇瀟

 TK素描会は毎週モデルさんに来て頂いてデッサンをする、そのうち二回は固定ポース、他の二回はクロッキーである。私は、5分~10分のクロッキーポーズを好む。  20分の固定ポーズを描くと、大概時間が余る。時間が余ったから描かなくても良いところまで描き込む。余計な事まで描くので、仕上がったものは一見丁寧に見えるが、全く面白みのない平凡…
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「熟」と「生」の葛藤     王俊宇瀟

 清時代の鄭板橋は一生のうち数えきれない墨竹を創った、そしてある作品にこんな詩を書き込んだ:『四十年来畫竹枝,日間揮寫夜間思,冗繁削盡留清痩,画到生時是熟時。』作品の落款でありながら、立派な画論でもある。  ここのキーワードは「生」と「熟」である。  「熟」とは水墨画創作の筆遣いや墨の扱い方等の技に詳しく、「熟練」の事を指す。 …
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